「許すな!安倍改憲発議」と訴える憲法集会が5月3日、東京・江東区の東京臨海広域防災公園で開かれ、昨年を上回る6万5千人が参加した。幅広い市民団体や労組でつくる「平和といのちと人権を!5・3憲法集会実行委員会」が主催し、集会後にデモ行進した。
ミュージシャンのうじきつよしさんや小室等さんらによるオープニングコンサートに続いてあいさつした高田健実行委員長は「市民と野党の共同の力で改憲発議を阻止しよう」と呼び掛けた。立憲民主党や国民民主党、日本共産党、社民党、沖縄の風の4党1会派の代表も参加し、安倍政権を批判した。
●安倍さん、早く辞めて
会場から離れたところで休んでいた男性(41歳)は「こんなにたくさんの人たちが、憲法を守る集会に参加していて、感動しています。国会の中で憲法を守って、生かしていこうと言う議員が少ない。先ほど、舞台の上で野党の党首らがそろって発言したのを見て、力を合わせて頑張ってほしいと思った。国民の権利を明記しているのが憲法。政府がその実現に力を尽くすのが本来の姿であり、改憲をする前に憲法を生かせと言いたい」。
1人で参加したという女性は「高校3年と中学3年生の子どもがいる。自分の子どもも他の子どもも、殺されたくない。安倍さんには早く辞めていただきたい。代替わりや元号変更に税金を使うなら子どもたちの教育に使ってほしい。公立高校でも結構お金がかかる。誰もが教育を受けられる権利の拡充と平和が大切。消費税10%も反対です」と話していた。
「憲法」を愛する女性ネットの女性(70代)は天皇の代替わり行事に言いたいことがあるという。「私は女性が天皇になってもいいじゃないか、と思う。天皇制は必要ないと思うけど、国民の総意で決めることなので、せめて男女平等にしてほしい。代替わり行事は憲法を逸脱しているし、そんなことに多額の税金を使うより、新宿などにいるホームレスの皆さんの福祉に使ってほしい」
●子育てカフェも
渓流9条の会の堀江紀介さん(78歳)は「戦争になったら魚釣りもできない。戦中は『のんきに魚を釣っている』と非国民扱いされたと聞いた。今、環境破壊で釣り場が減らされている。福島の原発事故やリニア新幹線の工事で良い釣り場が被害を受けている。でも戦争が一番の環境破壊だと思う」と話していた。
フキのてんぷらなど山菜料理を広げていたのは、南房総九条の会のメンバーたち。年金者組合の支部長も務めている新屋敷孝さんは「昨日、山へ行って採ってきたんだ。おいしいよ」と勧めながら、こう語った。
「小さな子どもを抱っこしながら思いを語り合う『子育てカフェ』をやっている。若い人たちは非正規労働が多く、生活も大変。あと30年も40年も生きる人たちにとっていい世の中にしないとね」
●住民の声聞かず
田園調布九条の会の女性は「私たちはお金持ちじゃなくてフツーの人。昔は(大成功して金持ちになることをギャグで)『田園調布に家が建つ』って言ったけど、今や『家沈む』の恐れもある。真下をリニアが通るっていうんだから。それなのに国は全く住民の声を聞こうとしていない」と憤った。
〈写真〉「改憲は許さないぞ」とアピール(5月3日、都内)
コメントをお書きください