全教などの実行委員会による「せんせい ふやそうキャンペーン」が始まった。教員の長時間労働解消のために、教員増と1年単位の変形労働時間制の導入阻止を、署名サイト「Change.org」で訴えている。「ブラック部活動」の著者の内田良名古屋大学准教授も賛同し、「教員は教育者である前に労働者」とコメントを寄せた。5月10日現在、署名は1万筆(用紙分含む)を超えた。
呼びかけ人の一人、梅原利夫和光大学名誉教授は、国内総生産(GDP)のうち教育機関への公的支出の割合が経済協力開発機構(OECD)加盟の34カ国中、日本は最下位だと指摘。「財力があるのに財政が貧しいのは残念。国民的運動で大きな世論にしていく必要がある」と述べ、教員増で子どもの権利条約に掲げられた「子どもの最善の利益」を実現しようと呼びかけている。
全教の小畑雅子委員長は、教員の命と健康を守るために長時間労働の解消は不可欠と強調。「(残業時間から試算すると)小中学校で13万人の配置が必要なのに、文部科学省は働き方改革で、教職員定数の本格的な改善に踏み込まなかった」と批判する。
今秋の臨時国会で1年単位の変形労働時間制の導入に関する法改正が提案される可能性がある。「導入は長時間労働を助長する。柴山昌彦文科相も長時間労働の縮減にはならないと認めている」と述べ、政府を動かす運動にしたいと語っている。
〈写真〉キャンペーンでは「♯せんせいふやそう」を付けたSNS投稿も拡散中
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