「後世の人びとが生き地獄を体験しないように、生きているうちに何としても核兵器のない世界を実現したい」と被爆者らが呼びかけたヒバクシャ国際署名が941万5025筆(3月末)集まった。ヒバクシャ国際署名連絡会と核兵器廃絶日本NGO連絡会が4月23日、発表した。
署名は29日からニューヨークの国連本部で始まる核不拡散条約(NPT)再検討会議準備委員会に提出される。
●核抑止力、理解できず
同準備委には、日本被団協代表として木戸季市事務局長と濱住治郎事務局次長が参加する。
木戸さんは「日本政府は安全保障のための核抑止力と説明するが、理解できない。長崎で被爆し、道や浦上川に死体があふれていた。当時を思い出すと、核兵器が抑止力だとはとても思えない。すぐにでもなくさないと危険な兵器だ」と話す。
濱住さんは国連で初めて胎内被爆者として証言する。「広島に原爆が投下された8月6日、父は帰ってこなかった。最近、遺品が三つ見つかった。胎内被爆者7200人の1人として、原爆が人間に何をしたのかを話したい」。
日本政府には、核兵器禁止条約の批准などを求める意見書が自治体や議会から440件届けられているという。全自治体の25%に上る。浄土宗の教団本部が全寺院に署名配布を行うなど、取り組みがさらに広がっている。
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