派遣先の労働者との均等・均衡処遇を定めた改正労働者派遣法が来春施行される。連合はこのほど、派遣労働者について、法を上回る賃金・労働条件の整備を進める取り組み方針を確認した。派遣先・派遣元の労組ごとにそれぞれ対応を示している。
改正派遣法は、昨年成立した働き方関連法の一つ。正社員を含む派遣先の労働者と、派遣労働者との均等・均衡処遇規定を初めて盛り込んだ。派遣先から提供された処遇に関する情報を基に、派遣会社は相応の処遇に改め、適正な派遣料金を派遣先に要請するという手順を踏む仕組みだ。
取り組み方針は派遣先労組に対し、正社員の情報を派遣元に提供することで安心して働ける処遇となるよう促すことや、適正な派遣料金とするよう自社経営側への働きかけを呼びかけている。食堂や休憩室、更衣室といった最低限の福利厚生が提供されているかを確認するほか、改正法で義務付けられていない、事業所内保育施設や診療所の利用、防じんマスクやヘルメットなどの安全管理も、派遣先の労働者と同じにすることとしている。
●退職手当・交通費実費を
改正法は、派遣先との均等・均衡を原則とするが、派遣元で労使協定を結べば適用を受けない(協定方式)。協定の賃金額を、厚生労働省が定める「平均賃金」を上回ることが条件だが、この水準の低さが昨年問題となった。
取り組み方針は派遣元労組に対し、処遇決定方式のどちらを選ぶのかについて、労使で交渉・協議するよう呼びかけている。不合理な待遇差の是正について労使で話し合うほか、協定方式を選ぶ場合は退職手当分の支給や、交通費の実費支給など、法を上回る取り組みを掲げている。
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