連合は4月18日、高度プロフェッショナル制度(高プロ制)への対応指針を確認した。「制度を導入しないことを基本とし、反対の姿勢で臨む」と明記。やむを得ず導入する場合でも、法を上回る導入要件を要求し、ルール化するよう呼びかけている。
高プロ制は1日8時間労働などの労働基準法の適用をほぼ全て外す制度。「残業代ゼロ制度」「過労死促進法」と批判されたが、昨年、与党は多数で押し切った。対応指針は「十分な健康・福祉確保措置が講じられたとしても、長時間労働が助長されかねず、生活時間と労働時間のバランスをとることも困難である」と指摘。制度導入には反対の姿勢で臨むことを基本姿勢とした。
やむなく導入する場合の対応について、労使委員会の設置や情報開示、対象業務と対象者の範囲の限定、健康管理時間の把握、健康・福祉確保措置、適用を外した場合の処遇、本人同意――などについて、注意すべき点や、法を上回る導入要件を定めることとしている。
たとえば、年収要件は1075万円を上回る、可能な限り高い額に引き上げるとし、健康確保措置では臨時の健康診断を行ったうえで、勤務間インターバルや、健康管理時間(職場の内外で仕事をした時間)の上限設定といった措置を選択するなど、法を上回る規制を求めている。本人同意の手続きについても、署名の書面を労組が受け取り、本人の真意を確認した上で、労組が提出するなど、幾重ものチェックを提起した。
神津里季生会長は「極めて危険な制度。導入する必要はない。今のところ構成組織を通じて(高プロ制導入を打診する)具体的なアプローチがあるとは承知していない」と述べた。
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