沖縄・辺野古の米軍新基地建設に伴う沿岸部の埋め立て工事では、海底の軟弱地盤の存在が明らかになっている。元土木技術者で沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんが3月19日、都内で講演し、軟弱地盤を固める工事は技術的に不可能と述べ「(工事が)頓挫するのは確実」と指摘した。
講演は立憲民主党議員らでつくる立憲フォーラムと、戦争をさせない1000人委員会が共催した。
北上田さんは、軟弱地盤を固めるため政府が検討している砂杭工法について「軟弱地盤のある90メートルまで砂杭を打ち込める作業船は国内外にない」と語った。仮に波の荒い大浦湾で工事を強行すれば、船がバランスを崩す危険性があるとも述べた。
打ち込む砂杭の砂が調達できないことにも言及。7万7千本の砂杭には650立方メートルの量が必要だが、海砂しかない沖縄では年間130~150万立方メートルの採取が限界だという。「(無理にかき集めれば)沖縄周辺で大変な環境破壊をもたらす。本土から調達するとしても、(条例で禁じている)特定外来生物が混入する恐れがあり、容易ではない」と強調した。
●知事は変更許可せず
こうした技術上の困難さに加え、そもそも政府による設計変更の申請を玉城知事が許可しないことははっきりしている。北上田さんは「安倍首相は設計変更について『問題はない』と言っているが、それを判断するのは首相ではない。沖縄県知事だ」と述べた上で、こう呼び掛けた。
「埋め立て工事(完了)のめどは立たず、必ず頓挫する。これは(基地建設にとって)決定的な問題であり、注目してほしい」
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