最低賃金が低い県ほど若者の県外流出が多い――。厚生労働省・賃金課が住民基本台帳人口移動報告などから抽出したデータを折れ線グラフにすると、最賃の水準と若者の転出入の波形が鮮やかに一致する(グラフ)。地方の流出が多い一方で、東京が一人勝ちの様相だ。
「超過転入率」は、県外から転入した人の数と転出数の差を人口で割った比率。就職や進学などに伴う人口の「社会増減」を示す指標だ。
15~29歳では、東京がプラス4・52%で、2位の大阪(0・81)を大きく引き離している。最も低いのは秋田のマイナス3・49%。最賃改定目安のDランク県は熊本を除き全てマイナス幅が2%を超える。
家族の扶養義務を負わない若者ほど、賃金の高い都市部に移動しやすい。そのことが地方の深刻な人手不足を招いている。
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