「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    「原発ゼロ」に向け決意/反原連が国会前集会

     首都圏反原発連合は3月10日、国会正門前で「原発ゼロ」を訴える集会を開き、2800人(主催者発表)が参加した。野党議員は原発ゼロ基本法の成立に向けて決意を表明。有識者らは再生可能エネルギーへの早期転換などを訴えた。

     歴史社会学者で、慶応大学教授の小熊英二さんは「民意の支援のある運動が、落ち目の産業に負けるはずがない」と強調した。世界で原発のコストが上がり、採算が合わなくなっている状況を紹介しながら「人々が原発を危険だと思ったからであり、抗議運動が間接的に影響している」と指摘し、声を上げ続けることが力になっていると述べた。

     作家で、絵本などを取り扱う「クレヨンハウス」主宰者の落合恵子さんは「命より大事なものが本当にあるのか、この政権に聞いていこう。原発を廃炉にせずに、自然災害の多いこの列島でどうして安心して暮らせるというのか」と憤った。

     同じく作家の雨宮処凛さんは福島原発事故が8年経過して風化してきていることを指摘。「なかったことにされるのは恐ろしいこと。原発事故は収束しておらず、忘却にあらがうことが必要だ」と訴えた。

     

    スピーチする小熊英二さん(3月10日、国会前)

    野党国会議員らが「原発ゼロ」に向け連携して頑張ると決意を表明した(3月10日、国会前)