「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    政府は核兵器禁止条約批准を/原水協などのビキニデー集会

     核兵器廃絶への決意を新たにする「被災65年3・1ビキニデー集会」が、静岡県焼津市で開かれ、全国から1500人が参加した。主催は原水協などの原水爆禁止世界大会実行委員会と静岡県実行委員会。日本政府に対し「米国の核の傘から抜け出して、核兵器禁止条約に署名・批准を行うべきだ」と訴える集会アピールを採択した。

     1954年のこの日、米国が太平洋マーシャル諸島で行った水爆実験によって、第五福竜丸をはじめ多くの漁船や島民が被ばくした。乗組員の久保山愛吉さんは同年9月、「犠牲者は私を最後にしてほしい」と言い残し亡くなった。

     主催者報告した世界大会実行委運営委員会共同代表の野口邦和氏は「被災船員は1万人を超えているとみられるものの、政府が不熱心なため全容解明は今日の重要課題だ」と指摘。併せて、政府に核兵器禁止条約の署名・批准を迫る新たな決意と運動を呼び掛けた。

     梶原守光弁護士はビキニ国家賠償請求訴訟への支援を訴える中で「一審は負けたが、裁判官は国による救済制度に言及した」とし、救済に道を開きたいと述べた。

     マーシャル諸島から参加したアバッカ・アンジャイン・マディソンさんは「当時、死の灰を口にした私のいとこは、健康と尊厳をズタズタにされ、手術と流産を繰り返して昨年亡くなった」と述べ、いとこが核兵器廃絶を強く願っていたことを紹介した。

     

    〈写真〉集会フィナーレでは海外代表を交えて「ウィ・シャル・オーバーカム」を合唱(3月1日、静岡県焼津市)