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    ベア非開示は2組合/自動車主要労組が要求提出/トヨタ労組、非公表を徹底

     自動車主要12労組による春闘要求が2月13日出そろった。賃金改善・ベースアップ分を非開示としたのは、トヨタとマツダの2組合。トヨタ労組は、非正規労働者と正社員の賃上げ原資を合算してベア要求額を隠すとともに、絶対額要求に対応する現行の賃金水準や、定昇制度維持分も非開示とし、会見では質問にも答えなかった。

     改善・ベア分を示したのは10組合。完成車組合はおしなべて3千円で、部品関連の日本特殊陶業は格差是正に向け3500円を要求した。

     トヨタは非正規労働者の賃上げ原資と合わせた要求額を平均1万2千円と総額表示した。例年示していた定昇制度維持分(18年まで7300円)を示さず、定年後再雇用など非正規労働者の上げ幅要求の表示もなくした。

     会見では、トヨタの定昇制度維持分と、絶対額要求に対応する、若手・中堅技能職の現行賃金水準を示すよう質問が飛んだが、担当者は「把握していない」「承知していない」と再三突っぱねた。

     マツダも昨年までは「改善分3千円」としていたが、今年は賃金制度維持分を合わせた総額表示(9千円)に変えている。

     絶対額要求を完全非開示としたのはマツダをはじめ5組合。

     絶対額要求の表示が進まない点について、高倉明会長は「労使の事情がある。一気呵成(かせい)にはいかない」と説明。ベア非開示については「改善分(上げ幅)だけにスポットを当てるのはもうやめようということ。定昇維持分が分かると、マスコミがそれ(ベア)を書き、皆そこに注目する。それは避けたい」と述べ、あくまで水準重視への移行期の措置だと強調した。