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    「最賃前進へ、今がチャンス」/東京地評傘下の労組が集会/「子どもの貧困」なくす鍵に

     東京地評傘下の労組が2月6日に開いた、最低賃金をめぐる集会で、全国一律最賃制を目指す自民党の議員連盟発足など、情勢が動き始めたことに注目が集まった。深刻な「子どもの貧困」をなくす鍵になるとの期待も語られた。

     全労連の黒澤幸一事務局次長は、外国人労働者の受け入れ拡大で最賃の地域間格差に関心が集まるなど、全国一律制や1500円の実現に好機が到来していると指摘。「今年は統一地方選と参院選がある。ここで政治決断させることが大事だ」と強調した。署名や、地方自治体での意見書採択、選挙の争点化、サウンドデモなど目に見える運動、緊急の国会議員要請を提起し「(最賃水準で働く)当事者の組織を」と呼びかけた。

     東京国公の植松隆行事務局長は「19春闘を国民春闘として闘えるかどうかは最賃の位置づけにかかっている」と力説。国家公務員の初給職の賃金は時給885円だとし、全国一律になれば正規労働者の賃上げにつながり、世論の強い支持も得られると語った。

     全国一般東京地本の梶哲宏副委員長は東京のパート募集賃金が少ししか上昇していないのは、最賃が低い近隣県からの働き手の流入があるからと分析。全国一律千円の実現で改善できると指摘した。都教組の工藤芳弘元委員長は都内での深刻な子どもの貧困の実情を報告し、「親の賃金を上げないと解決しない」と最賃が果たすべき役割に期待を寄せた。

     

    〈写真〉最賃集会では「格差があるということは誰かがしわ寄せを受けているということ」と、全国一律最賃制への期待が語られた(2月6日、都内)