UAゼンセン・日本介護クラフトユニオン(NCCU)が1月30日、賃金実態調査報告書(2018年)を発表した。賃金は年々改善されているものの、月給制で働く男性の場合は全産業平均に比べ、いまだに月額約8万円の格差がある。女性はほぼ全産業平均並みに達している。
調査は昨年9~10月、1486事業所の8千人を対象に実施し、3744人から回答があった。
それによると、月給制の男性の賃金は約25万6千円で、全産業平均(約33万6千円)に比べて8万円低い(グラフ)。月給制男性の分布を見ると、30歳代が約43%で最多。以降、40歳代28%、50歳代12%、60歳代3%と減少していく。男性月給者の78%が賃金に不満を表明している。
同ユニオンは「女性の多い業界だが、男性にとっても安心・安定して長く働き続けられる職場にしていくことが、人材不足の解消にもつながる」と指摘。一層の賃金改善が必要と訴えている。
●昨年は4千円アップ
月給制組合員全体の傾向についてユニオンは「(処遇改善交付金が始まった)2009年以降、月額は約4万円アップしている」という。介護員は約4万5千円~5万円の改善となっている。ただ、職種による差も大きく、ケアマネジャーは約1万3千円の改善にとどまっており、介護員との格差が縮小しつつある。
昨年の賃金改定について聞いたところ、月給制組合員は約4千円のアップとなっている。時給制の場合も改善されているが、「生活援助」は1214円から5円のマイナスだった。
●賃金調査は今回で終了
賃金実態調査は今回でいったん終了するという。染川朗事務局長は「介護労働者の処遇改善が低いことは、かなり社会に知られてきた」と述べ、賃金実態調査が一定の役割を果たしてきたと指摘。今後は労使交渉と併せて介護報酬の引き上げに力を入れる、と述べた。
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