東京大学は非常勤講師の無期転換に必要な勤務年数を「10年」にしていた就業規則を改正し、来年度から労働契約法通り「5年」とすることになった。年明けに教職員組合に文書回答があり、首都圏非常勤講師組合とともに1月25日に会見を開き、発表した。
東大では以前、労使合意によって業務請負扱いだった非常勤講師を昨秋から雇用契約に移行させることになっていた。そのための就業規則改定の中で「教員任期法に基づき、10年経たないと無期転換できない」と定めた。組合は教員任期法の一律適用はおかしいとして、撤回を求めていた。
教職員組合前委員長の佐々木彈さんは「組合との合意がないまま密室で規定が作られていた」と経緯を説明。「10年ルール」は非常勤講師だけではなく、学術研究に従事する専門職員も対象にしていたという。
首都圏非常勤講師組合の志田昇書記長は「教員任期法は本来、学術的なプロジェクトに参加している教職員が対象となるもので、授業を担当する非常勤講師のほとんどは対象外だ」と指摘。東大以外にも慶応大学など「10年ルール」を定めている大学が複数あることを紹介し、「今回の東大の決定がそうした大学にもいい影響を与えるだろう」と語った。
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