厚生労働省は1月25日、解雇無効時の金銭救済制度の検討会を開き、労使が推薦する有識者からヒアリングを行った。労働側(連合)からは古川景一、岡田俊宏両弁護士が発言した。
制度案は、解雇が無効と判断された場合、労働者が使用者に対して労働契約解消金を請求し、使用者が支払った時点で労働契約が終了するというもの。解消金の内訳など複数のパターンが検討されている。
古川弁護士は、民法上の契約ルール全般において、金銭はあくまでも契約解消を補完するものに過ぎないと指摘した。「労働者本人が辞職の意思を示し、契約を解消するのが現行法に即した考え方だ。使用者の解消金支払いをもって労働契約を終了とする法律の構成には極めて無理がある」と批判。
その上で「積極的に制度案を採用すれば、使用者の発意による金銭解決制度を将来追加するための布石だと批判されてもやむをえない」と強い懸念を示し、制度は不要と結論づけた。
岡田弁護士は「和解で解決できるケースなら制度を作る必要はない。制度案には問題がある」と訴えた。
経団連が推薦した中山慈夫弁護士は、制度案が示すバックペイや解消金は使用者にとって負担であり、迅速な解決を重視すべきと述べ、制度案に賛成できないと表明した。
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