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    働き方対応で経営側が逆提案/民放労連臨時大会/組合は36協定活用を訴え

     民放労連は1月26、27の両日、都内で臨時大会を開き、春闘方針を決定した。ベア2万円以上の賃上げ要求や、ハラスメント根絶、時間外労働削減に向けた36協定の締結、長時間労働の是正を重点課題として取り組む。残業の上限規制をはじめ、働き方改革関連法(4月施行)への対応では、経営側から裁量労働制などの逆提案が相次いでおり、民放労連は法の趣旨を踏まえた処遇改善を勝ち取ろうと訴えている。

     賃金統一要求では(1)初任給25万円以上(2)企業内最低賃金協定で時給1500円以上(3)ベア「誰でも2万円以上」(4)夏期一時金大幅アップ――の四つの柱を掲げ、賃金全体の底上げと人手不足の解消を目指す。

     斎田公生書記長は経営側の姿勢について「ベアゼロを漫然と続け、長時間労働こそがメディア業界(の特徴)だと勘違いしている。内定辞退や若手離職が止まらなくなった今、初めて危機的状況を認識しているのではないか」と批判。人材確保と育成のために労働条件の改善を強調した。

     経営者が改正労働基準法に関心を寄せている今春闘が労働条件改善のチャンスだと指摘。「36協定の締結なしでは、残業を命じられない。イニシアチブは組合にある。私たち自身で働き方を決められるかが問われる。命と健康を守るのも組合の役割だ」と訴えた。

     

    ●法改正の趣旨を逸脱

     

     討論では、裁量労働制の導入や、夏休みなどの特別休暇の年次有給休暇への付け替えなど、改正法の趣旨を逸脱した会社側の逆提案について発言が続いた。職場では長時間労働が常態化し、代休取得もままならないという。

     テレビ朝日労組の代議員は「夏期休暇を年休に付け替えれば(年間労働日数が増えて計算式の分母が大きくなるため)、時間単価が下がる可能性もある。どういう制度が適切か判断しなければならない」と慎重な姿勢を見せた。

     裁量労働制導入の提案を受けた読売テレビ放送労組の代議員は「法改正の趣旨は働かせ放題を改善すること。会社は、時間外労働の上限規制を守れないから裁量労働制を導入したいと言う。(上限の)100時間以上を可能にするために導入するのは矛盾だ」と批判。制作現場では裁量労働制の導入を求める意見がまとまっているという。「導入されれば、賃金は変わらないからと、正確に勤退を記録しなくなる。残業減は収入減に直結する。今こそベア獲得を」と訴えた。

     

    〈写真〉臨時大会であいさつする土屋義嗣委員長(1月26日、都内で)