非正規労働者の賃上げは今や、全ての労働組合が取り組むべき必須課題。高卒初任給水準への時給額到達などの賃上げ要求目立つ。不合理な待遇格差の解消や昇給ルール、一時金支給も切実な課題だ。人手不足を追い風に、無期雇用転換、正社員化の促進など雇用安定を呼びかける産別も多い。
連合は今年の方針で、時給1050円の確保を掲げた。厚生労働省の賃金構造基本統計調査で示された、高卒初任給の平均額に賃上げ分2%を上乗せした額を所定労働時間の平均(165時間)で割った額。昇給ルールの確立や、「働きの価値」に見合う水準の追求も掲げた。「働き方関連法」を上回る取り組みを求め、不合理な待遇格差の是正、無期転換の促進、派遣先への直接雇用を希望する派遣労働者の積極的な受け入れなどを目指す。
加盟産別は連合方針に準拠しつつ、産業の事情に応じた方針を策定している。自動車総連は2016春闘で初めて時給20円の改善を目安とし、昨年は定年後再雇用者を中心に有額の回答を引き出している。
流通、サービス業を中心にパート労働者を104万人組織しているUAゼンセンの取り組みが出色だ。方針案は、賃上げについて正社員同様、定期昇給分に加えて、ベア2%基準を掲げている。正社員との同時決着を図る。
一時金については「企業業績などへの貢献に応じて正社員と均衡ある月数を要求」としたうえで、最低でも年間2カ月を要求するとした。UAゼンセンの調査では、パート労働者への一時金支給制度があると答えた割合は約半数。2020年以降の「働き方関連法」施行を見据え、労使の協議を強める構えだ。
全労連は時間額150円以上の引き上げを掲げ、時給千円未満で働く人をなくそうと呼びかけている。医労連は時間額250円以上、民放労連は下請けの制作会社などの派遣労働者の時間単価引き上げを掲げている。
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