全労連は1月22、23の両日、都内で評議員会を開き、月額2万5千円以上の賃上げと併せ、時給千円以上の底上げ要求を含む春闘方針を決定した。働き方関連法の施行を見据え、長時間労働をなくす「新36協定キャンペーン運動」を展開する。
賃上げ要求では、実質賃金低下分5%と定昇相当分2%を根拠に月額2万5千円以上を設定した。昨年より5千円増額した。非正規雇用は昨年と同額の時給150円以上の要求を揚げるとともに、時給千円以下の労働者をなくす取り組みを進める。
新36協定キャンペーンでは、36協定特別条項の締結を拒否し、勤務間インターバル導入や夜勤回数制限などで労働時間削減を目指す。併せて36協定締結に必要な過半数組合の必要性を訴え、組織拡大を図る。
3千万人署名を軸にした9条改憲反対、消費税10%増税中止なども重点課題に掲げた。回答集中日は3月13日。翌日にはストライキを含む統一行動を設定している。
●36キャンペーンに賛同
討論で北海道労連は新36協定キャンペーンに賛同を表明。「調査によると、道内では約7割の事業所が36協定を締結していない。違法状態が野放しになっている。時間外月45時間上限設定と特別条項撤廃に取り組む」と決意した。
福島県労連は東日本大震災の被災地の現状報告と併せて、最賃運動にも言及。「自治体キャラバンを実施し、全国一律最賃を要請した。県の担当者から『復興にあたって最賃は重要』との回答があった。最賃にテーマを絞った全労連の会議を開催してほしい」と述べた。
外国人労働者受け入れ拡大について、山形県労連は「賃金が下振れし、最賃にも影響する。具体的な取り組みの検討を」と述べた。非正規センターからは「外国人技能実習制度の劣悪な労働実態は日本社会に責任がある。廃止に追い込みたい」の発言があり、多言語の労働相談リーフレットづくりなどを、予算措置も含めて要望した。
生協労連は、おおさかパルコープで一昨年3月に発生した長時間労働による過労死を報告。「仲間の命を守れず、悔しさ、怒りが込み上げてくる。全ての職場で過労死を二度と起こさせない、命と健康を守る闘いを進める」と誓った。
●組織拡大と要求闘争を
小田川義和議長は「統一地方選挙と参議院選のある今年は、政治を変えるチャンスだ」と強調。市民と野党の共闘を発展させようと呼びかけた。
トヨタ労組がベア要求を明示せず、自動車総連も統一ベア要求を見送ったことに触れ、「賃下げ競争の圧力が強まる状況が懸念される。ベア実現にこだわる職場の賃金闘争を」と訴えた。連合が36協定による労働時間規制強化のキャンペーンを行うことについては「歓迎したい」と述べた。
〈写真〉評議員会では賃金の底上げ要求や新36協定キャンペーン展開も決めた(1月22日、都内で)
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