国民春闘共闘委員会と全労連は1月23日、都内で労働法制闘争交流集会を開き、約100人が参加した。改正労働基準法36条に設けられた時間外労働の上限規制(月45時間など)を踏まえた「新36協定キャンペーン」が提起された。
全労連労働法制闘争本部の伊藤圭一事務局長は、春闘期の取り組みとして(1)時間外・休日労働の上限規制とインターバル規制(2)労働時間の把握の徹底(3)年次有給休暇の自発的取得――を挙げた。
労基法36条の指針で労使には時間外労働を必要最小限にとどめ、限度時間を超過しないよう促す責務が定められたことを紹介。「長時間労働は使用者だけの責任ではない。組合に対して懲罰感情を持つ過労死遺族の方もいる。組合は責務を重く受け止め、(100時間未満まで可能な)過労死ライン並みの特別条項は認めないなど、奮闘が求められる」と述べた。
36協定がなければ、使用者は残業を命じられないという原則に立ち返るべきとし、「組合に締結義務はなく、断ることも可能だ。締結を労使交渉の切り札にして、労働時間の短縮と処遇改善を優位な交渉で勝ち取ろう」と呼びかけた。
高度プロフェッショナル制度にも触れ「制度の根拠である毎月勤労統計調査の不正が発覚した。偽造データと知りながら議論していたのはおかしい。4月施行の撤回を求める」と語気を強めた。
新36協定キャンペーンについて全労連の黒澤幸一事務局次長が提起。長時間労働を規制するルールとして36協定を機能させ、生活時間を取り戻す社会的キャンペーンと位置づけた。中小企業への改正法適用が1年遅れるため、対象期間は2月から2020年6月まで。地域での街頭宣伝、組織化につなげる市民講座の開催など、単産と地域が一体となった運動を目指す。
黒澤次長は「市民講座で話せば、残業代不払いやサービス残業も話題になるはず。組織化のチャンスとしても取り組んでほしい」と語った。
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