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    「デフレ招いた反省見られず」/連合が経労委報告を批判

     経団連の経労委報告が連合の春闘方針を批判した記述について、連合は1月23日、日本経済をデフレに追い込んだことへの反省が全く見られないなどとして、厳しく批判する見解を発表した。

     経労委報告は、連合が賃金の絶対額を重視する方針に転換しつつ、「2%程度基準」の上げ幅要求を掲げたことを「主張の一貫性を欠いている」と非難している。これに対し、見解は「働く者の月例賃金引き上げへのこだわりに応えずにきたことが、結果として失われた20年を生み、いまだに日本経済がデフレから脱却できない素地をつくってしまったことへの反省が全くみられない」と批判。多くの労働者がいまだ賃上げから置き去りにされている以上、上げ幅の要求を掲げなければならないと説明している。

     1万500円以上という中小労組の要求目安が「実態とかい離している」などの批判に対しては「日本の企業の99%は中小企業である。大幅な賃金水準格差が中小企業の深刻な人手不足の要因となり、労働時間など働き方の格差につながっていることを鑑みれば、サプライチェーン全体の労働条件格差をいかに是正していくのか、そこに向けた考え方こそ示されるべきだ」などと反論している。