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    「せめて7%の賃上げ」を/労働総研が提言/安倍政権発足前の生活水準へ

     労働運動総合研究所(労働総研)がこのほど、2019春闘に向けて提言を発表した。第2次安倍政権発足後に実質賃金が低下したと指摘し、政権発足前の2012年時点の生活水準に戻すには19春闘で7・16%(2万3千円)の賃上げが必要になると訴えている。 労働総研は政府統計などを使って、安倍政権発足から5年間の推移を分析。それによると、内需の鍵を握る消費支出は4・3%のマイナスだった。その要因として実質賃金の低下(4・1%減)と、社会保険料増などによる可処分所得(実際に使えるお金)の減少(1・9%減)を挙げた。

     政府はアベノミクスと名付けた経済政策で経済状況が好転したというが、働く者の状況はむしろ悪化していることが分かる。

     労働総研は「せめて安倍政権発足前まで生活水準を戻すにはいくら必要か」を試算し、7・16%の賃上げに相当すると指摘。これは大企業がため込んだ内部留保の3%弱の取り崩しでまかなえる額だという。「賃上げで企業の労務コストは上昇するが、やがて家計消費需要の増加を通じて企業にプラスとなってはね返ってくる」と、経済波及効果の大きさを強調している。