就職連絡会の中央行動では笹山尚人弁護士がワークルール教育について講演。顧問を務める首都圏青年ユニオンのメンズカットリーダー事件を紹介した。
高校卒業後に上京した男性は、寮生活を送りながら理美容店に勤務。男女交際も禁止され、残業代は払われなかった。将来の開業資金と称して給与からの天引きもあった。男性は組合に加入し、残業代と強制貯金の一部を支払わせることができた。
笹山弁護士は「あまりに古典的な奴隷労働。労働時間の記録がなく、残業代も強制貯金も不明瞭だった。従業員間のラインで、労働時間を特定できたが、知識がないことと権利喪失の怖さを感じさせられた」と振り返った。
知識が乏しいことなどで労働者の抵抗が弱まっていると指摘。「知識を身につけるとともに、(使用者の)トリックを見抜く目を身につけるべき。高校や大学の先生を中心にワークルール教育が広がりつつある」と述べた。
大学の講義1回分では基礎知識にとどまり、不当な扱いに立ち上がることを伝えるのは難しい。学生に労働組合の存在を伝えるには、実践的に学べる参加型の学習会が有効だという。交渉の模擬練習をネットで共有すれば、経験の共有につながり、闘いの質を高めると強調した。
「法律で権利が保障されている労働組合だからこそ、自分たちの真価を発揮し、発信してほしい。トリックを見抜ければ、真の民主主義は広がる」と語った。
〈写真〉講演する笹山弁護士
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