練馬区立図書館専門員労働組合は12月19日、石神井、練馬両図書館への指定管理者制度導入に反対して同日予定していたストライキを回避した。指定管理者制度は民間委託の手法の一つ。練馬図書館は職員35人のうち32人が女性の非正規職員で、全員が組合に加入している。
練馬区は区立図書館12館のうち、これまで9館に指定管理者制度を導入。全体のサービス水準を維持するため、練馬、石神井、光が丘の3館を直営で残し、全体の統括業務を担わせてきた。ところが区は7月、練馬と石神井にも制度導入を提案。練馬区職労とともに提案の撤回を求めてきたが、膠着(こうちゃく)状態が続いていた。
組合は(1)図書館専門員(非正規)の雇用保障(2)練馬図書館での司書業務の確保(3)両館への指定管理者制度導入の撤回――をあらためて要求。事態は進まず、12月19日と26日にストを構えた。
18日の団体交渉で、区は図書館専門員を解雇する考えはないと表明。光が丘のカウンター業務への異動を検討していると明らかにした。その上で、指定管理者制度の方針は、撤回できないと答えた。
組合は、司書として区立図書館での就労が可能と判断し、ストを回避。1月18日まで協議を継続する。
支援者に向けた報告集会で、組合員の佐藤葉子さんは「年収は約200万円程度。私たちにとって公立図書館を守ることと、雇用の維持は切り離せない。状況は厳しく、不安だが、がんばり続ける」と訴えた。
〈写真〉反対署名は1万5千筆を超えた。支援者らに感謝を伝える組合員の佐藤葉子さん(12月19日、都内で)
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