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    田中被団協代表委員が訴え/安保法制違憲訴訟/全国で7617人が参加

     安保法制が成立してから3年。同法制を憲法違反だと訴える訴訟(安保法制違憲訴訟)には全国で7617人の原告が参加し、22地裁で訴訟が提起されている。12月14日には同法制に基づく自衛隊出動の差し止めを求める裁判の口頭弁論が行われ、日本被団協代表委員の田中煕巳さんらが証言した。

     田中さんは13歳の時、長崎で被爆。昨年は核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞授賞式に招かれた。裁判後の報告集会で「これからの国家間の戦争は核戦争となり、絶滅戦争になる。憲法9条が目指す、話し合いによる紛争の解決が今後の世界の規範になると思ってきたが、この数年間で大幅に変えられ、日本の外の戦争に自衛隊が参加させられようとしている。破滅的な戦争を絶対にやってはいけない」と訴えた。

     憲法学者の飯島滋明さんは「研究者は裁判に関わらない方がいいと自戒してきた。でも、今はそれを言っている時代なのか」と原告になることにためらいがあったと語った。軍事によらない平和の実現を訴えることを「平和ぼけ」と非難する風潮に対し、「核戦争をいかに防ぐのかということが全く想定されていない。戦争で片が付くと考えている方がよほど平和ぼけだ」と述べた。

     違憲訴訟は、差し止め訴訟と国家賠償請求訴訟が並行して行われている。原告弁護団の寺井一弘弁護士は「来年は判決もありうる。大きな節目となる年」と語った。

     

    〈写真〉被団協代表委員の田中煕巳さんは「ここで絶望してはいけない」と発言した。今も全国で訴えを続けている(12月14日、都内)