「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    「平和なくして労働運動なし」/労働弁護団が改憲反対集会/多彩な労組が参加し発言

     日本労働弁護団は12月14日、安倍政権による改憲に反対する集会を都内で開き、連合、全労連、全労協傘下、中立の組合関係者らが多数参加した。労働弁護団が改憲に反対する集会を開くのは初めて。 

     徳住堅治会長は「戦争が労働運動を根本的に壊滅させてしまうことは歴史が示している」と、自民党の9条改憲案を批判した。棗一郎幹事長は「本当に何をやるか分からない政権。改憲発議と国民投票が来年実施されるかもしれず、備えておく必要がある。断じて憲法改悪をさせない」と話した。

     元会長の宮里邦雄常任幹事が「憲法9条改憲と労働運動」と題して講演した。戦力の不保持を定めた9条2項を残したまま自衛隊を明記する自民党案について「後からできた法律は元の法律を破る、というのが法の原則だ」と指摘。「改憲によって間違いなく自衛隊は変質してしまう。日本の大きな分岐点で、労働組合がどう動くかが重要だ」と呼びかけた。

     

    ●改憲阻止へ組合も闘う

     

     自治労の青木真理子副委員長は「安倍自民党政権の憲法改悪は地域の生活を破壊しかねない」と批判。「地震・台風被害の復興より軍事力強化に資金を投入する安倍政権は全く理解できない。自治労として多くの住民と協力し、改憲阻止に全力で取り組んでいく」と話した。

     日教組の則松佳子副委員長は、経済的な理由で進学せず「車の免許が取れるから」と自衛隊に就職した生徒の話を紹介し「(格差のある社会だと)いとも簡単に『経済的徴兵制』のようなことが起きる。子どもたちを戦場に送らないために連帯したい」と訴えた。

     コミュニティ・ユニオン全国ネットワークの岡本哲文事務局長は「改憲について統一した運動はしてこなかったが、今の政治状況ではまずいのではないかと考えた。平和なくして人権はない。改憲問題では仲間ととともに各地で運動を展開する」と述べた。

     全日建の小谷野毅書記長は「憲法改悪にはストライキで闘おう、という方針を持っている」と報告した。

     日本医労連や国労、全建総連、マスコミ文化情報労組会議の代表も発言。在日米軍基地で働く労働者でつくる全駐労と、私鉄総連は「憲法改悪に反対する」とメッセージを寄せた。

     

    〈写真〉集会には180人が参加し改憲反対アピールを採択した(12月14日、都内)