全労協などでつくる19けんり春闘全国実行委員会は11月30日、発足総会を都内で開いた。「8時間働けば暮らせる社会を! 大幅賃上げを勝ち取ろう!」をメインスローガンに、時給1500円以上の全国最低賃金保障、月2万円以上(7%相当)のベースアップ要求を掲げている。
共同代表を務める渡辺洋全労協議長は、中西宏明経団連会長による「春闘という言葉をやめよう」との発言に触れ、「経営側が一方的に春闘を否定するのを許してはならない」と批判した。連合内にベアの数値目標設定に否定的な意見があったことも懸念した。「大手企業が相場を作り出し、中小をけん引する(春闘の)構造がなくなったわけではない」と述べ、数値目標の意味を捉え直すべきと促した。「闘う春闘として再生すべき」と強調し、労働者全体の賃金引き上げが重要だと訴えた。
中岡基明事務局長(全労協)は、公務の非正規職員が会計年度任用職員へ移行する際に雇い止めが起きると危惧した。東京都特別区人事委員会が平均で月例給2・46%の賃下げを勧告したことも問題視した。その上で「水道や福祉などの公務公共サービスはライフラインとして不可欠。(受益者である)市民と公務労働者の一層の連帯を」と呼びかけた。
要求として(1)どこでも誰でも月20万円以上・時給1500円以上の最低賃金保障(2)月2万円(7%)以上・時給150円の賃上げ(3)高度プロフェショナル制度導入反対、時間外労働1日2時間、月20時間、年150時間を上限――などを掲げた。
〈写真〉あいさつする渡辺議長(11月30日、都内で)
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