製造、流通、サービス業などの労組でつくるUAゼンセンはこのほど、入管法改正案に盛り込まれた、外国人労働者の受け入れ拡大に関する考え方と当面の対応方針を確認した。過度な受け入れへの懸念を示し、深刻な人手不足に対しては技術革新などの生産性向上で対応すべきとの考え方を示している。
●影響検証する手続きを
対応方針は、グローバル経済が進展するなか、適切な規模の外国人の受け入れや共生は望ましいとする一方で、「過度な受け入れは、労働条件改善の停滞、企業の生産性向上への意欲の低下、労働市場の階層化につながる懸念がある」と指摘。労働条件改善や生産性向上への影響を検証する手続きを導入し、悪影響のない範囲に限定すべきとした。人手不足への対応はデジタル技術革新などによる生産性向上を基本に解決すべきとの基本的な考え方を示している。
当面の対応として(1)新たな在留資格だけでなく、外国人労働者の受け入れの枠組みについての総合的な検討(2)技能実習から新たな在留資格への移行の際の「試験」の義務付け(3)労働者代表が雇用や労働条件に与える影響を検証する手続きの導入――を求める。
検証に当たっては、業種ごとに受け入れ人数の上限を設けるとともに、日本人と同等以上の報酬、雇用・社会保険加入を条件とすること、受け入れ企業は許可制とすること、受け入れ・送り出し機関は「公的機関による一元的な管理」が必要としている。
外国人が使用者と対等に交渉できるようにするための支援体制と法令順守を確保する体制強化、日本語教育、生活相談の国による保障も掲げている。
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