米国の自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が11月26日、1万4千人の人員削減を含む大規模なリストラを発表した。クリントン政権で労働長官を務めた経済学者のロバート・ライシュ氏は「米国労働者の仕事を守るはずだったトランプ大統領の政策がみじめに失敗したことを意味する」と厳しく批判した。
●鉄鋼などがコスト増に
GMのリストラ案は、米国・カナダの3工場と米国の二つの部品工場で生産を中止することが柱。売り上げが低迷している乗用車から、好調なスポーツ用多目的車(SUV)やトラックに生産をシフトするという。今後は自動運転車や電気自動車の生産も重視する考えだ。
ライシュ氏は自身のツイッターでこう述べた。
「トランプ大統領が実施した大企業への減税の効果は上がらず、トリクルダウンは起きていない。そして輸入品への関税引き上げは逆効果だった。部品などのコストを上げ、人員削減をもたらした」
GMの最高経営責任者(CEO)メアリー・バーラ氏は、アルミと鉄鋼に課された高関税が響いたことを認めている。
ライシュ氏は「米国は労働者の教育や訓練、雇用、医療に関連するインフラの整備にお金を使うべきだ。しかし、そうした費用を捻出できないでいる。金持ちに大幅減税をしてしまったからだ」と指摘している。
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