労働基準監督署や公共職業安定所(ハローワーク)などの職員でつくる全労働省労組(全労働)はこのほど、外国人労働者の受け入れ拡大を図る入管法改正案について意見書をまとめた。送り出しや受け入れにブローカーなどが介在する仕組みを改め、外国人労働者の職業あっせんを公共職業安定所に一本化するなど、技能実習制度を含めた抜本的な見直しが必要だと訴えている。
意見書は、入管法改正案が目指す外国人労働者受け入れ拡大の枠組みについて「技能実習制度を踏襲したもの。両者に共通している特徴は『他人の就労に介在する事業者』があまりに多いことだ」と指摘。現地でのブローカーや送り出し機関、日本国内での悪質な監理団体などの存在を問題視している。
全労働は、介在機関が存在する限り、技能実習生の苦境は変わらず、新制度の下で働き始める外国人労働者も救われないとみる。こうした仕組みを改め(1)技能実習生と新たに受け入れる外国人労働者の職業あっせんを公共職業安定所に一本化すること(2)海外からの送り出しを担う機関は国か公的な団体に限定すること――を求めた。
●救済制度の整備も
このほか、権利行使に困難が伴う外国人労働者の権利保障に向け、失踪した場合の救済制度整備や、労働法の理解を促進する支援策の策定、離職(再就職)の自由を保障する仕組みづくりなどを提起している。
外国人労働者の受け入れ拡大の背景にある人手不足問題については、国内の労働条件や就労環境の改善を図る観点が重要と指摘している。
コメントをお書きください