連合は11月14日、都内でハラスメント対策の法制化を求める集会を開いた。相原康伸事務局長は「ハラスメントの根絶を求める声は地球規模で広がっている。ハラスメントがまん延している日本社会のあり方を問い直したい」と述べた。
井上久美枝連合総合男女・雇用平等局長は「ハラスメント対策を議論する厚生労働省の審議会では使用者側委員が法制化に反対している。使用者側が言う啓発だけでは限界がある」と話した。
●被害者救済規定を
日本労働弁護団の新村響子弁護士は「パワハラなどのハラスメントを禁止する法律がない今の状態が異常だ」と指摘。「ハラスメントを防ぐための権利規定がなく、体を触るなどの行為があっても損害賠償が棄却される場合がある。立法化は当事者の意識を高め、職場環境を変えていくきっかけにもなる」と話した。
市民グループ、均等待遇アクション21の柚木康子氏は「企業側は周知啓発でいいと言ってきたが、いつまで啓発だけで済ませるつもりなのか」と批判。その上で「ハラスメントで人格を攻撃されれば復帰に時間がかかる」と述べた。
労政審分科会の委員を務めている情報労連の斎藤久子中央執行委員は「職場の中で声を上げられずに苦しんでいる人が多くいる。ハラスメントを野放しにしないと法的に明確にしていくことが必要だ」と語った。
〈写真〉連合は「ハラスメント対策は歴史的な岐路にある」として法制化を強く求めた(11月14日、都内で)
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