11月6日投票の米中間選挙では、共和党が上院(定数100)の過半数を維持したものの、民主党は下院(定数435)の多数派を奪還し、同時に行われた州知事選でも前進した。米国の労組は「連邦議会にチェック機能を取り戻した」「対立と分断ではなく、暮らしを守る政治への第一歩が始まった」などとコメントしている。
米国労働総同盟産別会議(AFL―CIO)のトラムカ会長は「私の組合人生50年で、かつてない規模で組合員が選挙運動に参加した」と語った。
全米自動車労組のゲイリー・ジョーンズ会長は、雇用や医療・社会保障、教育、公共サービスのありようが大きな焦点になったと指摘。トランプ大統領や共和党が暮らしに関わる予算を切り捨ててきたことに「もうたくさんだ」と、労働者の反発が広がったのだという。
特に各州で進む教育予算の削減は大きな争点になり、教員労組は複数の州知事を交代させたことを紹介。看護師の労組NNUは「全国民に医療保険の適用を」という要求を掲げて選挙を闘い、共感する議員を増やしたと述べた。
少なくない組合が民主、共和の両党に対し「今後は違いを脇に置いて、暮らしに関わる切実なテーマで協力すべき」と強調した。
州知事選では、反労組の急先鋒だったウィスコンシン州とイリノイ州の知事が落選している。
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