外国人労働者の受け入れ拡大について考える連合の集会では、四国全県の外国人技能実習生からの相談に対応している連合徳島の傅麗(フー・リー)さんが、実情を報告し、労働災害の根絶や賃金不払い防止のための対策を求めた。
傅麗さんは中国出身で、2003年から連合徳島の職員として外国人研修生・技能実習生の相談を受けてきた。08年に開設された連合四国ブロックの「外国人労働相談所」の相談員として四国全県をカバーしている。
この15年間で寄せられた相談は800件を超えた。内容で最も多いのが不払い残業など賃金関連で、次が解雇・強制帰国。近年は労働災害が増えているという。
傅麗さんは「外国人技能実習制度の実態は違法だらけの『労働特区』となっている。雇用主が安価で使い捨ての労働者と見る傾向は変わっていない」と指摘。特に、増加する労働災害をなくすため、母国語による研修や説明が必要と強調した。受け入れ企業が倒産した際のビザの延長や、賃金不払いを防ぐための救済基金の創設、受け入れ企業が適切かどうかの認定を求めた。
そのうえで、地場の中小零細企業で外国人技能実習生は貴重な働き手となっているとし、「その場限りの労働力ではなく、会社の一員として将来を担えるような法整備が必要」と語った。
連合への要望では、駆け込み寺の役割を果たす広域の支援体制の構築、外国人労働者の組織化推進、母国語で支援を受けられるワンストップの相談体制の検討を求めた。
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