「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    「真実伝えるメディアを」/新聞労連新委員長に南彰氏

     新聞労連の再開大会が9月26日、都内で開かれ、空席となっていた新委員長に朝日新聞の南彰氏(39)が信任された。「メディアが真実を伝える仕組みづくりに力を尽くしたい」との所信を表明した。

     南氏は政治部担当記者。「ルポ橋下徹」「権力の『背信』―『森友・加計学園問題』スクープの現場」の共著がある。新任あいさつで、菅義偉官房長官の会見をめぐり記者への一連の取材制限や殺害予告があった問題に触れ「一線の政治記者として勤めてこられたのは新聞労連の支えがあったからといって過言ではない。その恩返しをする、天命だと思い引き受けることにした。会社の枠組みを超えて課題に対応できる新聞労連は重要なインフラだと思う」と胸中を語った。

     報道をめぐる現状について、「『1強』の政治状況下、これにしっかり対抗して真実をしなやかに伝えるメディアが存在し、実践できるという仕組みづくりに力を尽くしたい」と抱負を語った。

     南氏が強調したのが働き方の見直し。その旗振り役を担うとした上で、メディアを揺るがせているセクハラ問題について、「徹底的に撲滅しなければならない。業界内の人権侵害に目をつむり、寄り添えなければ、社会で同じように苦しむ人々に寄り添えず、解決への後押しもできない。メディアの存在意義に関わる問題だ。労連としても相談窓口を設けるなど単組とともに重層的に取り組んでいきたい」と語った。

     

    〈写真〉南彰・新委員長は「合言葉はネクストジェネレーション」と述べ、多様な人材が活躍できる働き方にすることが必要と語った(9月26日、都内)