パワハラなどハラスメント(嫌がらせ)を検討する労働政策審議会への対応について、連合はこのほど方針をまとめた。職場のあらゆる嫌がらせに対応できる施策が求められているとし、「ハラスメント行為そのものを禁止する規定が必要」と強調している。拘束力のない指針ではなく、社会全体で推進されるよう実効ある法整備が必要との立場だ。
あらゆる嫌がらせに対応できるよう、ハラスメントの定義は「職場において業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為」とした。精神的な攻撃や、人間関係からの切り離し、過大・過小な要求など八つの類型をあらためて例示した(表)。
加害者は事業主、労働者のほか、顧客や利用者、患者、生徒などの「第三者」も対象。被害者は雇用・就業形態にかかわらず、働くもの全てが対象となる。
ハラスメント禁止規定については、行為の違法性を明確に定め、被害者が損害賠償を請求する根拠規定を設けるべきとした。そのうえで、事業者には措置義務として(1)ハラスメントの内容、方針の明確化と周知・啓発(2)行為者への厳正な対処方針(3)相談窓口の設置――など11項目を課す。
今年の国際労働機関(ILO)総会で、暴力とハラスメントを規制する国内法令の採択を呼びかける条約案が確認されている。こうした動きを追い風に、世論喚起を進めていく構えだ。
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