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    7年後の200万組織実現へ/UAゼンセンが大会/国の基本問題で中執見解

     繊維、化学、食品、流通、サービスなどの労組でつくるUAゼンセン(約178万人)は9月19、20の両日、横浜市内で定期大会を開き、2025年の200万組織実現をめざし、組織強化を図ることなどを柱とする運動方針を決めた。国の基本問題について、改憲に向けた論議を進めるべきとする中央執行委員会見解をまとめたことを報告。役員改選が行われ、松浦昭彦会長、木暮弘書記長がそれぞれ再任された。

     当面の取り組みとして、来年の統一地方選挙と参院選挙での組織内議員勝利を重視。産業政策を調査研究する機関「政策サポートセンター(仮称)」を設立する。200万組織への発展を見据え、政策実現力を強化するための組織内議員らのネットワーク強化や賃金闘争のあり方、共済のあり方などを検討する「UAゼンセン改革2・0(仮称)」の議論を来年以降進めるとしている。

     

    ●組織拡大

     

     向こう2年間の組織拡大の目標は8万人。2025年には200万人を展望できるよう取り組みを展開するとした。

     昨年の大会以降の実績では、新規加盟が39組合・5分会で3万1千人、既存組合内では3万2千人を拡大した。新規は、総合サービス部門の拡大が多く、東京ディズニーランド運営会社の関連会社(5500人)や、外食大手のハイディ日高(9千人)、SOMPOケアネクスト(7千人)などが目を引く。流通部門では、和歌山を中心とした食品スーパー松源(2200人)、家電量販のPCデポ(2400人)など。6万3千人の新加入組合員のうち8割がパート労働者だという。

     併せて重視するのが、労働組合としての組織の強化だ。日常的なオルグ活動の体制づくりや、中小労働運動の共闘体制の改善・強化を掲げている。

     

    ●国の基本問題

     

     安全保障、憲法など国の基本問題に関する中執見解をまとめ、大会で特別報告した。

     「国民は国家の民主的統制に関与しなくてはならない」とし、民主主義、自由主義、立憲主義の維持・発展が必要と指摘。専守防衛、文民統制、非核三原則といった戦後日本の国是を守り、「今後とも平和国家として歩んでいくべき」とした。

     そのうえで、安全保障政策の機軸としての日米同盟を重視する。東アジア情勢の現状を踏まえ、「国民的な合意のもと、米軍に対する武力行使事態において、国連憲章を踏まえ、日本の主体的判断により必要に応じて適切な支援ができるようにしていかなくてはならない」とした。

     憲法については、集団的自衛権の行使容認など憲法解釈の変更は「立憲主義の形骸化であり許されない」とし、現政権の手法とは一線を画す姿勢を表明。

     自衛隊が海外で武力行使した際の国際法上の扱われ方に懸念があるとし、「憲法の改正に向けて議論を進めなければならない。国連憲章を踏まえ、日本の主体的な判断により必要な場合に、武力行使を含めた平和維持の活動ができるよう、国民の合意を前提に憲法と法律の必要な法整備を行っていくべき」とした。

     見解は、前身のUIゼンセン同盟時代にまとめた見解を踏襲しているという。加盟組合や組合員の行動を縛るものではなく、「今後社会運動を行う際のよりどころ」(木暮書記長)という位置づけだ。

     

    〈写真〉UAゼンセンは来年の参院選では国民民主党から組織内候補を擁立する。連合内トップの個人名得票への奮闘を呼びかけた(9月19日、横浜市内)