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    時の問題/自治体首長も懸念を表明/総務省の「2040構想」報告

     総務省が7月に発表した「自治体戦略2040構想研究会」報告が、自治体労組だけでなく、自治体の首長からも反発を招いています。地方や小規模自治体をないがしろにしているのではないか、との懸念が強いためです。それでも政府は今後、地方制度調査会の議論を踏まえて必要な法制化を図る方針です。

     同研究会報告は、人口減少などの予測データを基に、このままでは自治体は立ち行かなくなると指摘。「行政の大胆な書き換え」「人口縮減時代のパラダイムへの転換」を求めています。

     具体的には(1)人工知能(AI)を活用した職員の半減化(2)自治体が全てのサービスを担うフルセット主義からの脱却(3)基礎自治体から広い圏域単位での行政への転換――などを求めているのが特徴です。

     8月に開かれた自治体労組の大会でも話題になりました。自治労はAI活用による画一的な人員削減を問題視。自治労連は「戦後地方自治の仕組みを解体するもの」と批判しました。

     自治体の首長からも問題点が指摘されています。7月5日の地方制度調査会で全国市長会の立谷秀清会長(福島県相馬市長)は「地方創生に頑張ろうとしている努力に水を差す以外の何ものでもない」と述べました。全国町村会の荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)は「机上の発想ではなく、現場の実態を踏まえてわれわれの声をしっかり受け止めてほしい。上からの押し付けではなく、選択可能な制度や仕組みが準備され、自治体が主体性をもって自ら選択・実行できることが何より重要だ」と訴えています。

     上から目線で小規模な自治体を切り捨てかねない危うさを感じている、ということでしょう。住民の暮らしを守る自治体の役割を維持できるのかどうかが心配されています。