「梅雨空に『9条守れ』の女性デモ」
さいたま市が2014年、公民館だよりにこの俳句の掲載を拒否し、表現の自由を侵害した行為だとして作者が裁判に訴えた。一、二審で原告が勝訴したものの、市側は判決に従わず最高裁に上告した。これに対して原告を支援する「9条俳句」市民応援団が9月2日、市民集会を開いた。最高裁判決を待たず、句の掲載などを求めて運動を強めようと訴えた。
東京高裁判決は、原告が求めた掲載請求権こそ認めなかったが、「(市側は)思想、信条を理由に不公正な取り扱いをした」「人格的利益を侵害し違法」と断じた。
原告の女性は「(公民館は)自主サークルが選んだ句を不掲載にした。差別であり、私の作品に対する侮辱です。違法と判断されたら掲載するのが普通。なぜ市民の方に向き合えないのか」と憤った。
市民集会では、田島泰彦上智大学元教授(憲法・メディア法)が「不掲載は市民にとって、端的に言えば検閲。表現者の表現機会だけでなく、市民が作品・発言に接する機会が奪われる」と指摘した。両判決が表現の自由侵害という点を軽視していることについても批判した。
応援団は「現場解決」を求め、行政との交渉や文化団体・労組・社会教育関係団体との連携、賛同署名などに取り組み、11月14日には大集会を開く予定。年内解決をめざしている。
〈写真〉スピーチする田島さん(9月2日、さいたま市)
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