今年8月7日、ネットテレビ「AbemaTV」で中継されたあるドラフト会議が話題を呼んだ。麻雀の新プロリーグとして創設された「Mリーグ」に参加する7チームが所属選手(雀士)21人を指名した。俳優で、芸能界最強といわれる萩原聖人氏も指名された。
将棋や囲碁が実力を競い合う純粋なテーブルゲームであるのに対し、偶然要素が絡むマージャンはギャンブルとして扱われることが多い。ある程度のお金を賭けるマージャンは〃公然〃と行われている。
一方、Mリーグが掲げるのは麻雀の脱ギャンブル化だ。選手には「ゼロギャンブル宣言」として賭博行為に関わらないよう求めている。知的な頭脳ゲームとしてのイメージを確立し、将来的には五輪の正式種目化も視野に入れている。
健全化を目指す背景にあるのが麻雀人口の急減だ。「レジャー白書」(日本生産性本部)によると、2009年に1350万人と推計された麻雀人口は、16年には500万人にまで減少している。業界の売り上げも半減した。「麻雀=ギャンブル→不健全」というイメージから脱し、客離れに歯止めをかけるのが、Mリーグ創設の背景だ。
既存のレジャー産業の一つが脱ギャンブルによる市場拡大を模索する中で、解禁された民間カジノ。経済振興が目的だが、時流に逆らうようなばくちに勝算はあるのだろうか?(続く)
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