働き方関連法をめぐる省令・指針案の審議が現在、厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会で行われている。日本労働弁護団などは、今回改正された労働基準法には時間外労働(残業)の上限(月80~100時間)をすり抜ける「抜け穴」があると指摘し、その穴をふさぐよう求めている。
改正労基法は、時間外労働に必要な36協定について、月45時間を超える場合は特例的延長の手続きが必要とし、その上限は最長で月80~100時間と定めた。しかし、「1カ月」の定め方によっては4週(あるいは1カ月)で160時間まで可能となるケースがあると指摘。このほど発表した意見書で「4週で100時間以上の時間外労働は許されないことを指針に盛り込むべき」と訴えている。
労基法は、1月○時間、2月○時間…というように労働時間をカウントする。ところが、ある月の後半と翌月の前半に残業を集中させた場合、1カ月で160時間も可能となる【図】。
同弁護団は、長時間労働の是正をうたった法改正である以上、こうしたケースは許されないことを指針で明記すべきだと強調。
全労連も8月21日にまとめた見解で、160時間が可能となることを防ぐ必要があるとし「(月45時間の)限度時間を超えて労働させる際の週単位の上限を示すこと」を求めている。
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