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    労働法制関連の審議本格化/金銭解決制、パワハラ規制も

     働き方関連法成立を受けて、政省令や規則など制度の細部を詰める審議がこの秋に本格化する。そのほか、違法解雇でも労働者を追い出せる「金銭解決制」導入の検討や、パワハラ規制をめぐる審議も予定されている【表】。

     際限のない長時間労働が懸念される高度プロフェッショナル制。年収要件や対象業務は政省令で定める。規制を厳格にするには世論の後押しが必要だ。不合理な待遇格差を禁じる「同一労働同一賃金」の政省令審議も秋に始まる。

     注目されるのがパワハラ規制の審議。法規制に踏み込むのか、指針にとどめるのか、国際労働機関(ILO)がハラスメント規制に動き出すなど追い風の中での審議となる。逆に、労働側が強く反対してきた「解雇の金銭解決制」の専門家検討会も6月にスタートした。導入は閣議決定事項であり、国は「労働者の選択肢を増やす」と一点突破を図るとみられる。

     副業解禁に伴う諸制度の見直しが進められる。性急な規制緩和論が飛び交った労働政策基本部会も継続の見通し。「労働生産性の向上」「多様な就業形態の普及」を目的に加えた改正雇用対策法の基本方針を策定する審議会が新設される。

     気になるのがサマータイム制の検討だ。2年後の東京五輪開催をにらんだもので、自民党内で検討するという。労働界には賛否両論ある。心身への負担が大きく、長時間労働を助長するとの懸念も強い。拙速な導入は避けたいところだ。