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    ガラパゴス化する日本/原発依存のエネルギー政策

     大会2日目の8月5日には、核廃絶や脱原発など幅広いテーマの分科会やフィールドワークが行われた。

     「核兵器禁止条約とトランプの核政策」をテーマにした分科会では、昨年ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲・国際運営委員が講演。北朝鮮の核問題について「南北合意や米朝会談の中身を国際法で担保していくことが必要だ」として、そのプロセスに核兵器禁止条約を活用していくことを提起した。

     平和団体ピースデポの湯浅一郎共同代表も講演。米韓軍事演習などに参加する米軍の大部分が在日米軍であり、朝鮮半島の非核化実現には日本の交渉参加が不可欠との見方を示した。その上で「日本自身も核兵器に依存しない安全保障政策を選ばなければならない」と指摘した。

     脱原発をコスト問題から考えていこうという分科会では金子勝慶応大学名誉教授が「技術の歴史的転換が起きていて、産業構造もエネルギー政策も変わり始めた」と指摘。世界的には太陽光発電など再生エネルギーの急激なコストダウンが起きているとして、原発から離れられない日本のエネルギー政策を「ガラパゴス化」と批判した。

     国や電力会社が原発再稼働に固執する理由について金子教授は「廃炉にすれば、減価償却が終わっていない原子炉の4・8兆円が特別損失になるからだ」と述べ、廃炉にかじを切らせるための公的支援の必要性を説いた。

     

    〈写真〉金子教授は脱原発にかじを切れない労働組合も問題視した(8月5日、広島市内)