最低賃金をめぐり大幅引き上げや地域間格差の是正、中小企業支援策などを求める地方自治体の意見書や請願を採択した自治体がこの4年余りで248に上る――こんな集計を全労連がまとめている。2018年度の改定審議が進む中、中央最賃審議会の目安を超える引き上げが広がるかが注目されている。
集約は7月末現在で、国と全労連独自の集計をまとめた。連合の地方組織が提出した請願なども含む。
14~18年度に一度でも意見書などの採択を行った自治体は全体の14%。最も多いのが福島の48県市町村。北海道では、17、18年度に35自治体が採択し、合計42道市町村に上る。長野も大幅に増え、31市町村が採択した。秋田は全自治体の8割を超える22県市町村を数える。
この集約とは別に、労組などの後押しによって、自治体首長が労働局に大幅引き上げなどを要請する取り組みも増えている。新潟労働局によると、新潟県では今年度の改定に際し、8月2日現在で、12市町から格差是正のための引き上げや中小企業支援などの要請が出されているという。
今年度の目安通りに改定されると、地域間の最賃格差は時給225円に広がる。全ての働く者の賃金底上げと中小企業支援へ、地方最賃審の役割が問われている。
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