「母と暮らせば」(山田洋二監督)
舞台は終戦から3年後の長崎。助産師として働く伸子(吉永小百合)は、原爆で息子の浩二を亡くし、それ以来独り暮らしをしていました。そこへある夜、浩二(二宮和也)の幽霊が現れ、母子が久しぶりにいろんなことを語り合う――という物語です。
「終戦の年に生まれた私は、平和憲法と同い年。『戦後』がいつまでも続くことを願っている」と話す吉永さん。本作以外にも「愛と死の記録」「夢千代日記」など原爆をテーマにした作品に出演しています。
〈写真〉(C)2015「母と暮せば」製作委員会。息子の恋人だった町子(黒木華)と伸子(吉永小百合)が墓地から長崎の町を眺める
「沖縄 うりずんの雨」(ジャン・ユンカーマン監督)
戦中、戦後の沖縄と米国の関係を4部構成でまとめたドキュメンタリー。
国内で唯一地上戦が行われ、戦後は米国の占領下に置かれた沖縄。祖国復帰後も米軍基地は撤去されず、朝鮮半島やベトナムでの戦争に利用されました。今でも戦闘機の墜落や米兵による女性暴行事件など不祥事が絶えません。
監督は、沖縄住民が戦後一貫して平和を望みながら、その意思が踏みにじられ続けるのは、沖縄を「戦利品」扱いする米国人の見方があるから――と結論づけています。
〈写真〉ジャン・ユンカーマン監督。「日本国憲法」などの作品もある
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