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    「収入増やしたい」が最多/JILPTの複数就業者調査/雇用保険加入希望は半数弱

     副業をする理由は「収入を増やしたいから」が最多――こんな傾向が労働政策研究・研修機構(JILPT)が行ったインターネット調査で明らかになった。厚生労働省の検討会で7月26日、示された。

     昨年、約185万人に調査協力を求めるメールを送り、約15万7千人から有効回答を得た。「仕事は二つ以上」の9299人と「一つだけ」の12万617人を分析対象とした。

     副業をしている人は40代が33%と最も多く、50代の28%、30代の22%と続く。本業は、正社員の34%が最多で、パート・アルバイトが25%、自営業は13%、個人請負は11%。

     副業をする理由(複数回答)では「収入を増やしたい」が32・5%、「一つの仕事だけでは収入が少なくて生活自体ができない」が23・1%と、収入面を強調する声が男女ともに最も多い。一方、「活躍できる場を広げたい」(7・9%)、「様々な分野の人と繋がりができる」(3・5%)、「現在の仕事で必要な能力を活用・向上させるため」(2・3%)と、職域の拡充を意識する声は少数だ。

     雇用されていても一つの勤務先の所定労働時間が週20時間以上ないと、雇用保険に加入できない。副業と合わせて20時間を超えれば加入できる制度を希望するか、雇用保険に加入していない人に聞いた。「希望する」は42%で、「分からない」が31%、「希望しない」は27%となった。具体的な費用負担や失業給付を知らない人が多く、きちんと知らせれば希望者は増える可能性もある。

     同検討会は、副業・兼業を推進する政府の意向を踏まえ、複数就業者(マルチジョブホルダー)の雇用保険適用の是非を検討するため、1月に発足した。