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    15分単位切り捨て処理やめよ/ドラッグストア労働者/労基署に残業代未払いを申告

     大手ドラッグストア「クリエイトエス・ディー」(クリエイト)が残業時間を15分単位で切り捨てている処理を是正させようと、個人加盟のプレカリアートユニオンの組合員が7月23日、厚木労働基準監督署に申告した。この問題については裁判も行われているが、ユニオンは「残業時間を1分単位で支払うのが常識なのに、同社は15分単位に固執している」と語っている。

     クリエイトは、神奈川県を中心に400店舗を構えるドラッグストアチェーン。昨年、正社員として働いていた女性組合員が、社宅費用を給与から違法に天引きされたとして組合に相談した際、未払い残業代の存在が発覚した。

     

    ●未払いは年間数億円

     

     組合によると、同社の全店舗で15分単位の切り捨てと休憩時間なしの勤務が行われている。全従業員約8千人分の未払い賃金総額は年間数億円になるという。

     昨年12月に団体交渉を申し入れたが、同社が応じなかったため、この組合員は今年3月、未払い賃金の支払いを求めて提訴した。裁判でクリエイトは「タイムカードの打刻時刻が即労働時間とは認識していない」「時間外労働は15分単位でという会社の指示を理解して勤務しているのだから、未払い残業代は発生していない」などと、独自の主張を行っている。

     7月23日の記者会見で、組合側代理人の西村治弁護士は「会社側がどう認識していようが、(労働時間管理の常識上)賃金を払わなくていいということにはならない」と指摘した。組合員の女性は「会社で働いている間は、これが普通だと思っていた。自分一人のお金の問題ではなく、従業員全体の問題」と話した。