日本通運やヤマト運輸など運送会社の労組でつくる運輸労連は7月4、5日、都内で大会を開いた。難波淳介委員長は、働き方改革法の付帯決議で、自動車運転者の総拘束時間を定めた、厚生労働省の改善基準告示の早期見直しが明記されたことを「大きな前進」と評価。罰則付き残業上限規制の一般則適用(年720時間)を視野に、「総拘束時間・年間3300時間以内(現行3516時間)」への早期縮減を求めていく決意を示した。
同法では、自動車運転者について法施行後5年間の適用猶予後に年960時間の上限規制(休日を含まない)を適用する。昨年の定期大会では、長時間労働による過労死や健康被害が最も深刻な自動車運転者に一般則を適用すべきだとして、「100万人請願署名」を提起。連合内他産別にも呼びかけ、185万筆を集約した。
難波委員長は「55万筆の交通運輸の仲間に加え、130万筆はトラックを利用する産業の仲間から寄せられた署名。トラック事業の実態を共有できた」と、協力への謝辞を述べた。改善基準告示の早期見直しへ働きかけを強めるとともに、国が推進する「副業・兼業の解禁」には長時間労働是正の取り組みにはそぐわないとして「反対」を表明。運輸産業は労働時間と賃金がリンクしている企業が多いことから、「総拘束時間の縮減が賃金水準のダウンとならないよう、賃金体系の見直しを含め関係各所に働きかけを強めたい」と語った。
大会では、来年の参院選への対応として、立憲民主党を基軸に支援・協力を行う取り組み方針を確認した。比例区で同党からの立候補を予定している、連合加盟4産別の組織内候補の支援も決めた。
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