山形県(吉村美栄子知事)は6月、政府に対し、地域別最低賃金のランク制度の「廃止」を要望した。地方自治体による要望としては異例だ。地域間格差の深刻さを物語っている。
毎年この時期に行っている政府への要望。昨年は最低賃金について「ランク制度の見直し」を求めていた。今年はさらに踏み込んで「ランク制度を廃止し、全国一律の適用」と表現を強めている。
同県の担当者は「最賃の地域間格差が毎年拡大しているのに、同じような要望をしていても意味がない。若い人の大都市圏への流出は深刻。所得を向上させ生活を安定させることで地域経済の好循環を図ることが必要だ」と話している。
ランク制は全国を四つに分けて、引き上げ目安を中央最低賃金審議会が示す。現在の運用では低額県ほど上げ幅が小さく、地域間格差が毎年拡大している。
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