連合は6月28日の中央執行委員会で、安倍政権が目指している憲法改正について「現時点における認識」を確認した。現状は「国民に冷静な政策判断を求めるための議論を深める環境にはない」と指摘。2020年施行など一定の時期を念頭においた拙速な改憲論議は認められないとした。
6月26日に開いた三役会でのとりまとめを、この日の中執会議に報告し、了承を得た。
●国民投票法見直しも
連合は、改憲論議そのものについては「否定するものではない」とのスタンスを取っている。
安倍首相は2020年の改憲実現を明言。自民党は憲法9条への自衛隊明記をはじめとする改憲4項目のたたき台素案を示し、国民への理解に努めるとの姿勢だ。この動きに対して連合は、自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党の担当者を連合本部に招き、各党の考え方を聞き取るとともに三役会で議論を続けてきた。
その結果、「何のために憲法改正が必要なのか、何が変わるのかなど、(自民党の)憲法改正のたたき台素案について多くの国民が理解しているとは言えない状況だ」と指摘。国民的議論の基礎となる情報提供が不十分と述べ、改憲を議論する環境にはないとした。
改憲のための国民投票を国政選挙と同時に行うことにも反対を表明し、国民投票法の周知と見直しも必要だと記述している。
連合としては「国会で国民的な合意形成につながる丁寧な議論を十分に行うこと」を求め、引き続き三役会で議論を深める。憲法問題での集会や行動への対応についても三役会で判断することにしている。
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