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    非正規差別の撤廃を/メトロレディ、株主に抗議/国・都への配当約150億円

     地下鉄駅売店で働く非正規労働者の女性が加入する全国一般東京東部労働組合メトロコマース支部は6月28日、親会社東京メトロの株主総会に合わせて都内の本社前で抗議の声を上げた。同支部は正社員と有期契約労働者の不合理な格差を禁止する労契法20条裁判を闘っている。

     須田光照書記長は、東京メトロの事業報告書を紹介した。それによると、グループ全体の今期の営業収益は約4千億円、16人の取締役の報酬は1人当たり約2千万円。会社は非上場で、株主は2人で国(財務大臣)と東京都だ。昨年の株主配当は国が約80億円、都が約70億円に上る。

     「現場で汗を流して働く非正規労働者が、手取り月13万円の賃金で貧困に苦しむ一方、経営者は利益を独占している。この不公正なやり方を許している株主の国や都にも抗議の声を上げていこう」と呼び掛けた。

     労働環境の差別も厳しいという。売店員は東京メトロ社員の休憩施設を使えない。休憩は駅のホームのベンチだ。乗客からの視線、電車の粉じんや騒音に耐えながら、食事を取る。

     菅野存(あり)委員長は「黒人は白人と同じ食堂を利用してはいけないという昔の米国の差別とどこが違うのか。差別そのものだ。非正規労働者への差別撤廃を求めて闘っていく」と語気を強めた。

     後呂良子支部委員長は 「私たちのボーナスは22年前から1円も変わらない。正社員にはない皆勤手当があるではないかというが、1分でも遅刻したら支給されない不安定な手当。正社員は安定した住宅手当、家族手当が出る。なぜ、私たちに安定した手当を出せないのか」と怒りをあらわにした。

     「非正規労働者の多くは疲れ果て、賃金を交渉する機会もない。その人たちの分まで声を上げ、闘い続ける」と決意を表明した。