「働き方」法案の参院審議で6月14日、高度プロフェッショナル制度(高プロ制)の適用対象となる専門職の年収要件について、厚生労働省は「通勤手当なども年収に含まれる」という見解を示した。
政府は年収要件について、これまでは「1075万円以上」を想定すると言ってきた。通勤手当などを含めるなら、1075万円より低い年収の労働者にも適用が可能になる。
立憲民主党の石橋通宏議員の質問に答えた。厚労省の山越敬一労働基準局長は「成果で変動しない、確実に支払われるものは年収要件に含まれる」と答弁した。
石橋議員は「新幹線通勤をする方々は(基本給ベースの年収ラインが)相当下がる」と指摘した。
●上司同席でヒアリング
加藤勝信厚労大臣が高プロ制の必要性について「私の方で十数名からヒアリングした」と述べていた12人へのヒアリング調査の信ぴょう性も問題になった。
ヒアリングを実際に行ったのは今年1月31日が6人で、2月1日が3人だったことが明らかにされた。社民党の福島瑞穂議員は9人の調査について、加藤大臣が答弁した当日と翌日だったことの説明を求めた。アリバイ作りとの疑いに、厚労省側は「日々の業務の一環」と、従来の答弁を繰り返し、疑問に答えようとはしなかった。
9人のヒアリングは在籍する会社だけでなく、グループ内の(親会社の)人事担当者が同席したケースがあることもわかった。同議員が「(人事担当の)上司が同席したら労働者は正直な実感を話せない。なぜ人事担当を同席させたのか」と問うと、山越局長は「ヒアリングをスムーズに行うため」と答えた。
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