連合は6月7日の中央委員会で、2018春季生活闘争の中間まとめを確認した。賃上げ要求の裾野が広がり、賃上げの流れが力強く継続していると指摘。春闘の意義を社会に広めるとともに、今後、中長期的な視点から闘争、共闘体制の強化、行動のあり方を検討していくとしている。
5月8日段階の集計で賃上げ平均額は昨年同期比を上回る6061円(2・09%)。このうち中小は4942円(2・02%)で、ベア春闘が再開した2014年以降の推移をみると、全体の引き上げ率との差が縮まっている【グラフ(1)】。ベアや賃金改善などの賃上げ率では、300人未満の中小が大手を上回っている。
非正規労働者の時給引き上げも14年以降、順調に上げ幅を伸ばしている【グラフ(2)】。
36協定の点検・見直しでは1448組合、無期転換促進や雇い止め防止は1222組合、男女間賃金格差の改善などでは538組合が要求するなど、前年よりも取り組み組合数をほぼ倍増させた。
中間まとめは「大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動が定着・前進している」と評価。非正規労働者などの底上げの取り組みでは「裾野が広がっている」とした。長時間労働の是正や均等待遇実現など働き方の改善の課題では、法改正に先行した取り組みの進展を評価している。
一方、要求と異なる回答や、回答額を非公表とするなどの「経営側の姿勢の変化」にも言及。「日本の経済・社会構造や産業構造などが大きな変革期を迎えることを踏まえ、足元だけでなく、中・長期的視点で、今後の闘争のあり方や共闘体制の機能強化についても検討していく必要がある」とした。
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